動的注入工法の効果を模型実験、現場実験で検証後、鉄道関係を中心に実施工を行っています。
その一例を示します。
営業線架道橋改築工事において、橋台構築に伴う掘削背面地盤の強度増加を目的とした薬液注入工事に、動的注入工法を実施した事例です。薬液の総注入量は約750,000Lであり、注入方式は二重管ストレーナー複相式です。
動的注入工法は従来工法と比較して、設計改良範囲に割裂脈が多数分布しており、複合地盤としての強度増加が期待できます。
注入後に実施した一軸圧縮試験では、改良強度が従来工法の1.5倍となることが確認できました。
河川改修工事に伴い、既設軌道下を掘削する。掘削による軌道の変状を防止するため、対策工法として動的注入工法を実施した事例です。薬液の総注入量は約96,000Lであり、注入方式は二重管ストレーナー複相式です。
注入後の効果確認試験として行った貫入試験では、動的注入工法は従来工法よりも強度が20~40%増加(泥炭・シルト20~35%、砂礫約40%)することが確認できました。
このように動的注入工法は従来工法と比較して、砂質土、粘性土のいずれの地盤においても良好な注入効果を得られることが、模型実験、現場実験、実施工により確認されました。